滋賀大学データサイエンス学部 3つの特徴

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「データサイエンス」という、聞きなれない響きの学問を取り扱う学部が近年設立され様々なメディアに取り上げられている。2016年に設立された滋賀大学データサイエンス学部だ。このような得体のしれない学部に進むなんて、、、と不安に思う人が多くいるのだろうと筆者は邪推するが、実はデータサイエンスとはこれからの・未来の職業(現在既に普及しているが)を支える学問なのだ。

既に様々な媒体で同学部のことが紹介されているので、この記事では同学部のもつ3つの特徴から、「データサイエンスとはどのような学問なのか?」「なぜ滋賀大学は新学部設立でこれほどメディアの注目を集めることができたのか?」について出来るだけシンプルに掘り下げていこう。


データサイエンスという学問

同学部の第一の特徴は言うまでもなく、日本で最初の「データサイエンス」という学問を取り扱う点にある。
まずは、その「データサイエンス」という言葉について確認しておこう。

データサイエンス(data science)とは、データを用いて新たな科学的および社会に有益な知見を引き出そうとするアプローチのことであり、その中でデータを扱う手法である情報科学、統計学、アルゴリズムなどを横断的に扱う。 

Wikipedia

身近にあふれるデータの高度な分析が、テクノロジーの進化によって収集可能になった「ビッグデータ」と、学問分野で発展した「統計学」とが融合して可能になった。そしてこの高度な分析は、 アルゴリズム、プログラミング、ビッグデータといったものだけでなく、 現実の世界で自分たちの経験に基ずづくデータを自分たちで分析することを助け、確かな意思決定をも可能にする。

データサイエンスが活用されている身近な例でいえば、「リコメンド機能」がいい例だろう。YouTubeがあなたの興味のありそうな動画を自動再生したり、web記事のアマゾンの広告があなたの興味のありそうな品物をピックアップするような機能がまさにデータサイエンスの産物と言える。

より具体的にデータサイエンスのアプローチを生かした職業は同学部のHPにて漫画で分かりやすく説明されているのでぜひ一読していただきたい。↓
https://www.ds.shiga-u.ac.jp/about2/ds-pamphlet/

ここで強調したいことは、データサイエンスとはこれから21世紀の社会で最も必要とされる教養の一つであり、より鍛錬された人ほど未来を見通す武器を持つことができるに等しい、ということだ。

学校外部の組織との関わり

新しいのもを作る場合なにより難しいことが、前例のないものを想定や予測を多分に含みながら計画を練っていかなければならないことだ。その点、同学部のカリキュラムは見事なまでに計画し、設計されて作られている。

特に大学外部の組織との連携し、教室で学んだことを実社会で「実践」する場を提供していることは注目すべき特質だ。以下の図は、四年間のカリキュラムをざっくり図にしたものだ。青で塗りつぶされた枠は「演習」となっており、この演習は一年生の二学期目から始まる。見ての通りデータサイエンスの導入となる「データサイエンス入門」というのは、一年生の一学期間でしかなく、学生は三年半みっちり演習をして個人のスキルを磨くことができるカリキュラムとなっている。

そして、この演習授業がメディアにこぞって注目されている理由が、数々の巨大企業との連携にある。その59にも及ぶ連携企業は大学HPに公開されており、以下のようなものをはじめとしている。

・金融:あおいニッセイ、SMBC、三井住友など  
・サービス業:野村総合研究所、伊藤忠テクノソリューションズなど
・製造業:トヨタ自動車、デンソー、 日立国際電気 など
・政府研究機関:理化学研究所革新知能統合研究センター、総務省 統計研究研修所など

https://www.ds.shiga-u.ac.jp/about/ds/curriculum/

これらの膨大なデータを持つ企業と連携し、共同研究、研修提供、コンサルディング提供、寄付金受領、インターン派遣等を行うことこそ、滋賀大学データサイエンス学部の何よりの魅力だ。実践的なスキルを身に着けるトレーニングを、実践の場で行うことが最良なことのは言わずもがなだ。データサイエンス学部として、生きたデータを取り扱うことは学生の血肉となる。たとえデータサイエンスという学部が主流になったとしても、ここまで企業・研究機関と連携できる大学はほとんど現れないであろう。


5つの資格

「データサイエンス」という概念がまだまだ普及していない中、同大学でこれに関する資格を得られることは非常に重要なことであるだろう。同大学では、定められた単位を取ることによって以下の五つのデータサイエンティストとしての資格を取ることが可能である。

各資格についての詳細は上記のリンクから見ていただきたい。
この中で、特に注目すべき資格は、“SAS Joint Certificate Program”だ。一つだけ英語であるように、この資格は世界で通用するであろう資格だ。資格の発行元はSASという世界149の国で、自社の持つ統計解析ソフトウェアを用いたデータ分析をビジネスとするアメリカ発の会社だ。2017年の「FORTUNE Global 500®」上位100社のうち、96社がSASの顧客と宣伝しているほどであるから、実績も折り紙付き。そんな統計解析ソフトウェア(SAS)を活用できる、という資格こそが、”SAS Joint Certificate Program”である。

データサイエンティストという人材を探す企業にとって、このような資格を所持している人は魅力的であるだろう。そして、データサイエンスという概念が普及しきっていないだけに、このような信頼のある資格は価値ある財産になる。

終わりに


第一回のUCPでは、日本の数ある学部の中から、「滋賀大学データサイエンス学部」を取り上げた。それは、データサイエンスという学問はあらゆる人の未来の可能性を広げてゆくものであるからだ。筆者は、データサイエンスとは教養とすべき、現代人が必ず学ぶべき学問であると思っている。
なぜなら、その学びはビジネス、スポーツ、医療など、分野の枠を超えた多種多様な世界で生きるからだ。データサイエンティストは私たちの身の回りで大きく活躍の幅を広げていっているが、彼らのスキルは今後さらに思いもよらぬ分野で活躍する可能性を秘めている。

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